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柑橘系の味がする刺身？

皆さんはほんのり柑橘系の味がする刺身ってご存知でしょうか。魚なのに柑橘系？と不思議に思いますよね。

今日はこの柑橘系の味がする不思議な刺身について調べてみました。

柑橘系の味がする鯛のお刺身！

先日お正月ということで、家族でちょっと良いお値段をするお刺身の盛り合わせを購入して美味しく食べたんですが、その中に不思議な刺身があったんです。

見た目は普通のブリのお刺身なんですが、食べてみるとほんのり柑橘系の爽やかな風味が口に広がるんですね。

お刺身にありがちな生臭さは一切ありませんし、食べた時に鼻に抜ける柑橘系の風味がとても美味しかったです。

僕は全然味にはうるさくないですし、あまり味覚にも自信はありませんが、非常に美味しく頂きました。

ただ海の水中の中にいる魚を切ったお刺身からなぜ陸上に生えている木になる柑橘系の果物の味がするのか非常に気になりました。

なのでこの柑橘系の味がするお刺身について調べようと思いました。

柑橘系の味がするフルーツ魚とは？

調べてみたところ、この柑橘系の味がするお刺身はフルーツ魚と呼ばれる魚を捌いたモノということがわかりました！

とはいってもフルーツ魚という魚がいるわけではありません。

このフルーツ魚は、ブリやヒラメといった養殖魚を育てる時に餌の中に柑橘類等の果物生成物を混ぜ混んで育てた魚になります。

魚の餌に柑橘類を入れることで、魚の肉が変色(褐色化)するのを抑えたり、魚特有の生臭さを抑える効果が期待できます。更には食べた時に柑橘類の香りがする魚も開発されています。

フルーツ魚の種類は？

フルーツ魚の魚種としては、主にブリ・カンパチ・ヒラメ・マハタ・鮎などがあります。

餌として与える柑橘類の果物には、ミカン・柚子・スダチ・カボス・レモンなどがあります。中にはオリーブやハーブを用いた養殖魚もいる様ですね。

このフルーツ魚の火付け役は2007年に登場した鹿児島県の『柚子鰤王』という魚になります。

『柚子鰤王』は元々2005年頃から高知大学で魚の切身の変色について研究されていた際に、柚子の抗酸化作用で変色が抑えられることが発見されました。さらに柚子の香りに含まれるリモネンやミルセンといった成分が魚の生臭さも抑えるとともにほのかに鰤の身に柚子の香りがすることも発見しました。

この『柚子鰤王』を筆頭に現在では以下のような品種が開発されているようです。

ひめ柑育ち・・・愛媛県で養殖されているみかんの香りがするマハタやマダイ。愛媛大学で考案された。
みかんブリ・・・愛媛県水産研究センターが開発したミカンを餌に混ぜて養殖した鰤。
柑味鮎・・・2011年から山口市で生産されているミカンを餌に混ぜた鮎。山口大学が山口市と共に開発。
すだちブリ・・・徳島県でスダチの果皮を飼料に混ぜて育てた鰤。
かぼすヒラメ・かぼすブリ・・・大分県農林水産研究指導センターで開発されたカボスの皮や果汁を餌に混ぜているヒラメや鰤。
レモンのブリ・かんぱち・・・和歌山県産のレモンを使用して高知県で養殖を行い、和歌山市内の水産加工業者が販売している鰤やかんぱち。
レモンはまち・・・広島県大竹市阿多田島のハマチは飼料にレモンを加えて養殖している。
伊勢まだい・・・三重県水産研究所が海藻・かんきつ・伊勢茶葉の粉末を餌に混ぜて養殖している。

他にも柑橘類ではないブドウ・お茶・エビ・昆布といったモノが餌に混ぜられて養殖されているケースもあるようですね。

フルーツ魚っておいしい？どこで食べられる？

フルーツ魚って本当においしいのかという疑問が出てくると思いますが、これは実際僕も食べているのでおいしいと言えます。

食べた時にまったく生臭さはありませんし、さっぱりとした柑橘系の香りは本当においしいです。

鮮度が命の魚で生産数や養殖されている地域も限られているのでなかなか食べるチャンスが少ないのが現状です。となるとこのフルーツ魚はどこで食べられるのか気になりますよね。

まずは通販で養殖を行っている漁協や企業から直接購入するというのが一番早いかもしれませんね。

他にも地域や期間によっては大手回転寿司チェーン店でも提供されていたことがあるようですね。

以前大手回転寿司チェーン店『くら寿司』で『宇和島みかんぶり』が提供された際には、元々２週間の体験販売の予定が期間中の『宇和島みかんぶり』の売り上げが通常のブリの２倍近い売り上げだったため、販売期間を２カ月に延長して提供したというくらい人気商品だったようです。その後は、高知県のユズブリやレモンブリなども期間限定で販売。『フルーティーフィッシュ』という名称でシリーズ化していて看板商品の一つとなっています。